新技術に期待

新技術に期待 指紋レーザー照射くっきり採取

 

DNA鑑定で試料も保護

 

早大の研究チームが新装置開発に成功

事件現場に残された指紋にレーザーを照射し、反射光から指紋を読み取る新たな装置の開発に早稲田大先進理工学部(東京)の研究チームが成功した。現在は指紋にアルミニウム粉を付け、ゼラチン紙に転写して採取するなどの手法が一般的だが、検出器具が指紋に触れることで、指紋に含まれるたんぱく質などを破壊してしまいDNA型鑑定に必要な試料が得られなくなる欠点があった。共同開発した警察庁科学警察研究所(科警研)は実証実験を始めており、2年後の実用化を目指す。
開発に成功したのは宗田(そうた)孝之教授(光物性工学)ら。2011年から開発に着手し、昨年秋に完成した。費用は約1億円。指紋が付着した場所に専用のレーザーを当て、皮膚片から反射した光から指紋を読み取る。

現在はゼラチン紙に転写する手法のほか、薬品をかけて化学反応を起こさせ、浮かび上がった指紋を写真撮影する手法などが用いられている。しかし、いずれも指紋に接触するため、たんぱく質や脂肪を破壊し、DNA型鑑定の精度が下がる傾向があった。また、現場には肉眼で確認できない指紋が残されている場合もあるが、これまでは捜査員が現場の状況や経験を頼りに指紋が付いていそうな場所にアルミニウム粉を付けたりしていた。

新装置はレーザー照射だけで指紋に接触しないため、指紋検出とDNA型鑑定の両立が初めて可能になったうえ、レーザーを当てた上で専用のゴーグルを着ければ指紋が見えるため、現場の証拠を漏らさず収集できるという。また、重なり合った指紋の分離採取も可能になり、犯罪捜査の大きな武器になると期待されている。

宗田教授は「指紋が付着した素材によっては光の加減でうまくデータを読み取れない場合もあるが、従来の技術との併用でより確実な指紋の採取が可能になる」。科警研は「実証実験を通して課題を洗い出し、早期の導入を目指す」としている。