教習所卒業証を偽造

教習所卒業証を偽造

「免許は欲しい。」教習所卒業証を偽造で逮捕された看護助手の“大胆”

「車の免許が欲しいけれど、教習所に通うのは面倒でやめた」。逮捕された女は、そう供述したという。不正に自動車運転免許を入手しようと、教習所の卒業検定合格証明書と卒業証明書を自身で偽造し、試験を受けるため免許センターに提出したとして、偽造有印公文書行使などの疑いで看護助手の女が千葉県警交通捜査課に逮捕された。「(免許を取ると)就職活動に有利になる」という思いから、何とか受験までこぎつけた最終関門の筆記試験だったが、その成績は合格レベルに達していなかったという。

逮捕されたのは、看護助手の女(21)。逮捕容疑は千葉運転免許センターで、不正に自動車運転免許を入手しようと、偽造した同証明書を提出したとしている。同課によると、教習所の証明書を自ら偽造した容疑者の摘発例は県内初で、全国的にも非常に珍しいとみられるという。
女は3月ごろ、自動車教習学校のオートマチック(AT)限定のコースに入校したが、8月ごろに退校した。通常、教習所は9カ月以内に全課程を修了しなければ卒業できないが、仮免許も交付されていない「第1段階」の途中だったとみられる。
卒業証明書と卒業検定合格証明書はA4の用紙1枚にまとまっている。卒業証明書は各教習所のものなどで私文書だが、卒業検定合格証明書は、各教習所が県公安委員会に委任されて行っている業務のため公文書扱いとなる。
偽造は、インターネットにあった証明書のひな型を参考に、自分のパソコンで行っていたとみられ、稚拙な完成度だったという。専門的な知識は特になく、綿密な準備もしていなかったとみられ、自身の写真の上から押印される教習所の突起した押出しスタンプがないなど、証明書を見慣れている人であれば誰でもすぐに違和感を持つようなレベルのものだったという。
さらに、数字の記載でも粗雑な部分があった。卒業証明書に記載された「第○号」の数字は、各教習所をその年に卒業した何人目かということを、卒業検定合格証明書の「第○号」は、担当した技能検定員の何人目の卒業生かということをそれぞれ表す数字で、通常は異なる数字になるはずだ。しかし、女が偽造した証明書には、同じ3ケタの数字が記載されていた。同課によると、女がなぜこの数字を選んだかは不明という。
不適切な点はまだあった。教習所の角印が押されるべき場所には「所長でもない別の人物の名字の印鑑が押されていた」(同課)。また、技能検定員は手書きで自分の氏名を書くが、パソコンで印字されていた。
教習所でコツコツと実技、学科過程をクリアした周囲の卒業生に混じって、仮免許すら交付されていない女は偽造書類を持って免許センターに現れた。
書類を見た受付の女性職員が、不審な点に気付いて上司に報告。ただ、試験開始までの時間が迫っていたこともあり、そのまま女は筆記試験を受験した。一般の人にとっては、この試験を通れば、いよいよ免許を取得できる最終関門だ。
女は怪しまれながらも、何とか「受験する」という目的までは達したわけだが、その結果は「偽造していなくても不合格だった」(同課)。最も肝心な試験勉強の準備は、十分でなかったようだ。