精神疾患労災問題

精神疾患労災問題

 

請求者が過去最多 50%以上が20、30代

長時間労働などが原因の過労死や精神疾患(自殺を含む)の2013年度の労働災害補償状況がまとまりました。精神疾患の労災請求は1409人と過去最多で、労災認定も過去最悪のレベルと深刻な状況が続いています。精神疾患では若い人の被害が目立ちます。労災はどういう場合に認められ、どういう補償が受けられるのでしょうか。

労災補償について

労働者災害保険(労災保険)により、労働者を保護するための給付で、会社が保険料金を支払います。仕事や通勤を理由として、けがや障害が残る、病気、死亡などの場合、補償を受けられます。補償は、治療にかかった費用や仕事を休んだ場合の休業補償(賃金の6割)、亡くなった場合は遺族への年金などが給付されます。

 

非正規労働者でも給付は受けられるのか

会社に雇われ賃金をもらっている人なら、パートやアルバイト、契約社員などでも、外国人労働者も、誰もが補償を受けることができます。ただし、給付には労働基準監督署に労災保険の適用を申請(請求)しなければなりません。その際には労災の発生日時や災害の原因を会社に証明してもらう必要があります。

会社の協力はどうなるのか。

証明書は災害が起きたことを証明するだけなので本来、協力を拒否するようなことではありません。しかし、労災が起きたことを隠そうと、証明を拒否する会社も少なくありません。その場合は、労基署に会社が証明に協力しない旨を書いて請求書を出せば、労基署が調査します。労災隠しは処罰の対象です。

 

  すべての会社でも労災保険に入っているのか

1人でも労働者を雇っている会社は強制的に保険に加入します。会社が「加入はしているが保険料を払っていないので補償が受けられない」と言う場合もありますが、会社が保険料を払っていなくても労災の申請はできます。

 

 

  精神疾患の労災は若い人に多い

 

精神疾患では、労災の請求で20代が20%(277人)、30代が30%(428人)で合わせると50%に達します。過労死に詳しい弁護士は「体力、気力が充実している若年世代で精神疾患の労災申請が50%なんて異常な事態だ」と話しています。同時に「これでも氷山の一角でしかない」と分析しています。
労災申請の方法を知らなかったり、資料が集まらないなどで申請していないケースが多数あるというのです。精神疾患で労災と認定される際には、長時間労働や過重労働が最も大きな要因です。次いでパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントとなっています。若者を使い潰す、といわれ、社会問題化している「ブラック企業」の働かせ方は、こうした労災の問題点と重なっています。

 

過労死は基本的に、発症する1カ月前に100時間か、2~6カ月前の平均で80時間を超える時間外労働(残業)があれば認定されます。これが過労死の恐れが指摘される「過労死ライン」です。おおむね週20時間以上の残業が続くようなら気をつけなければなりません。自分の労働時間を克明に把握しておく必要があります。仕事で使うパソコンの起動時間と閉じた時間をメモしているだけでも十分証拠になります。

精神疾患も長時間労働が大きな原因の一つです。同様に労働時間をメモしておくと良いです。他にもパワハラやセクハラ、仕事上の大きな失敗など「特別な出来事」を評価し、疾患の原因が仕事かどうか判断されます。継続的にパワハラやセクハラを受けているなら、会話を録音するなど証拠を残すことを勧めます。